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オシレーションエンジン動画
                  
プーリー製作
  
 
機械科ものつくり-オシレーションエンジン

はじめに

 三郷工業技術高校機械科の特色の一つに「オシレーションエンジン」があります。平成13年度より実習カリキュラムの見直しを始め、平成17年度より新実習カリキュラムに移行しました。入学から卒業までの3年間の実習授業で1人1台を製作します。各種の加工方法や部品精度の「ものつくり」の基本をオシレーションエンジンの製作を通して学ぶことが出来ます。
 
本校のオシレーションエンジン
オシレーションエンジンの概要

 1年次から3年次までの実習授業で製作し、全てを完成させて卒業となります。1人1台を製作しますので、気が抜けませんが、完成したときの喜びは他ではなかなか味わえないものです。
 2年次でオシレーションエンジン本体の回転速度を計測できるまで製作し、3年次で製作するウォーム減速機と組み合わせて、トルク・出力の計測まで行います。2年次でオシレーションエンジン単体での回転速度が3000rpm(1分間に3000回まわる)以上で合格と伝えてあり、全員がそれをクリアします。生徒作品での回転速度は平均3500rpm程度で、最高回転数は5000rpm程度です。出力50~400W、平均150W程度。 トルク0.7~2.8N・m、 平均1.3N・m程度で、機械科実習場常設のコンプレッサーからの圧縮空気0.8MPa(8kgf/cm2 )を供給した状態での性能です。加工精度、組付精度が大事さなどを自然と理解できるようになっています。
実習中の様子(オシレーションエンジンの製作)
 工業高校機械科ならではのいろいろな工作機械や加工技術を駆使して1人1台のオシレーションエンジンを作り上げていきます。
 自分の製作したものが動き、製作した部品の精度が回転速度を上下させ、級友たちと競う中で、真剣な眼差し、自から取り組む姿勢が間違いなく見られます。また、この実習内容は揺るぎないものであると胸を張り、機械科教員一同が自信と誇りを持って指導しています。
 
 
シリンダブロックを鋳造              
    
 
 
工作機械の取り扱い
 
 
ピストン、クランク等の部品も一つ一つ旋盤・フライス盤で
  
 
 
溶接で組み立て             
   
 
オシレーションエンジン性能試験   
   
 
実習の最後はレポート提出
  
機械科実習とオシレーションエンジン
★1年生 工業技術基礎 週1回3時間、5テーマの4週ローテション
  5テーマ中2テーマがオシレーションエンジンに関わる実習
   ①旋盤
     旋盤基本操作、及びオシレーションエンジン出力プーリの製作
   ②鋳造・フライス 
     オシレーションエンジンシリンダの鋳造・フライス仕上
   ③溶接Ⅰ 
     アセチレンガス溶接練習、立方体製作
   ④材料試験 
     金属・プラスチック・先端材料
   ⑤シーケンス制御 
     自動ドア・エレベータのシーケンス制御
 
 
★2年生 機械実習 週1回3時間、4テーマの5週ローテション
   4テーマ中3テーマがオシレーションエンジンに関わる実習
    ①オシレーションエンジンⅠ
      オシレーションエンジン本体製作、組立・調整、回転速度測定試験
    ②オシレーションエンジンⅡ
      オシレーションエンジン本体製作、組立・調整、回転速度測定試験
    ③マシニングセンタ 
      Gコードマニュアルプログラミングによるハンコ印面製作
    ④溶接Ⅱ 
      被覆アーク・TIG等各種溶接、及びオシレーションエンジン展示台製作
 
 
★3年生 機械実習 週1回3時間、4テーマの5週ローテション
   4テーマ中2テーマがオシレーションエンジンに関わる実習
     ①ウォーム減速機 
       ウォーム減速機製作・オシレーションエンジン合体性能試験
     ②CAD
        3次元CAD 立体図示
     ③NC工作機械 
       オシレーションエンジンプレート製作、CAD/CAMによるハンコ握り製作
     ④原動機 
       汎用エンジン分解・組立、及びガソリンエンジン性能試験

オシレーションエンジンの部品図
 
オシレーションエンジンとは?その歴史と原理
 スチームエンジンの世界では首振りエンジンと呼ばれ、ポピュラーなエンジンです。その歴史は古く1800年代後半には製作されていたようです。効率はあまり良くないので、現在では模型として販売されたり、趣味の世界で製作されているエンジンです。
 このエンジンは首振りエンジン、揺動エンジン、ダブルアクティングエンジン、オシレーティングエンジンなどと呼ばれるようですが、我が校では実習で製作するこのエンジンを独自に「オシレーションエンジン (Oscillation Engine)」と名付けました。
 
 このオシレーションエンジンはシリンダ上部に吸排気をいています。一方のベースにはクランクピンの軌跡接戦P-Q線上にシリンダーの吸排気口が重なる位置に吸口と排気口をあいています。
また、ピストンと一体になったコンロッドの下端がクンクピンに取り付けられているためクランクシャフト回転することによってピストンが上下運動をします。同時にピストンとコンロッドが一体になっているためリンダがシリンダを支えている点O(センターピン)中心に左右に揺れ動きます。このシリンダの揺れ動き(首振り)を利用して、弁の開閉とともに吸気と排気をて回転力を出すのです。     
 
 
図1 ピストンが上死点にあるとき吸気口と排気口はふさがっているので、吸気と排気はされません。で すがシリンダが少しでも傾くと吸気口が開き、圧縮空気がシリンダー内に入り、ピストンを押し下げます。
 
図2 シリンダが最大に振れたとき、吸気口が最大に開きます。
 
図3 ピストンが下死点にあるとき、吸気口と排気口がふさがるので、吸気と排気はされません。ですが、クランクホイーの慣性によってピストンを上方に持ち上げます。そのとき、シリンダが傾くので排気口が開き、圧縮空気はシリンダ外に排出されます。
 
図4シリンダが最大に振れたとき、排気口も最大に開きます。
 
市販のオシレーションエンジン(首振りエンジン)
市販されているオシレーションエンジン(首振りエンジン)もあります。

山崎教育システム㈱
  金工・機械[外燃機関]教材
  「ベビーエレファント号」
 
 
学研「大人の科学マガジン」
  Vol.07付録2005/3/25発売
  「単気筒首振り式蒸気エンジン自動車」 
独自の教材

 本校機械科では生徒のみなさんにものつくりの難しさ、奥深さ、楽しさ、喜びを知ってもらうために独自の教材を開発、製作し、理解が深まるように役立てています。一部を紹介します。
 
①オシレーションエンジントレイン
オシレーションエンジンを搭載した2人乗り機関車。5インチ幅のレール上を2人の子供を乗せて走るトレイン。三郷工業技術高校20周年事業において原型が発表されました。今後もいろいろな場所で披露していきます。レール・枕木まで本校で製作しました。2気筒のオシレーションエンジンが動力源。最高速度8km/h以上で走ります。「DAICHI」号という名前です。
 
 
 
②オシレーションエンジン計測装置
レーザーと透過型赤外線センサを組み合わせて使用した、空気圧などを調整できる計測器 2年生時はオシレーションエンジン単体での回転速度のみを計測し、3年生時にはウォーム減速機と組み合わせて計測します。トルク、出力を計測できるよう、また生徒の視覚に訴えられるよう鉄のおもりを使用します。
 
 
③3年間分の実習テキスト
実習で何をするのか図解入りで説明されている3年間分のオリジナルテキスト。予習復習も完璧に。
 
 
 
④オシレーションエンジン工程展示装置
3年間で加工する部品などが明確にわかるようにしたものです。 透明アクリルドームの中に整然と展示されています。
 
 
 
⑤オシレーションエンジン回転体感装置
赤いボタンを押すと5秒間だけ圧縮空気が供給されエンジンが回転します。
 
 
 
⑥オシレーションエンジン回転原理提示装置
吸排気のタイミングなどオシレーションエンジンの回転原理がわかる、高さ1mの大型提示装置です。
 
機械科ロゴマーク
 平成17年度より使用している機械科の新ロゴマークです。MISATOの「I」」の文字がオシレーションエンジンを表しています。
 
 
 
 
本校オリジナル 実習テキスト 表&裏表紙
 
 
 
 実習服&実習帽
 
世界オシレーションエンジン選手権大会
世界オシレーションエンジン選手権大会を開催しています。 
 
 
第1回 平成14年3月
  教職員の技術向上と親睦をはかり第1回大会を開催しました。
 
第2回 平成17年3月
 「全日本オシレーションエンジン大会」として開催し、技術・回転速度を競いあいました。第2回大会では機械科職員13名全員と英語、社会、数学の教職員、ALTなど計24名の参加を頂きました。
 
第3回 平成21年3月
 「世界オシレーションエンジン選手権大会」として開催し、技術・回転速度を競いあいました。第3回大会では機械科・電子機械科職員と英語、理科の教職員、ALTなど計23名の参加を頂きました。
 
第4回 平成23年3月
 「世界オシレーションエンジン選手権大会」として開催し、技術・回転速度を競いあいました。第4回大会では機械科・電子機械科職員と電気科、理科の教職員などの参加を頂きました。
 
 
※世界オシレーションエンジン大会 レギュレーション
  ①ボア18mm、ストローク12mm
  ②ベースフレーム幅50mm
  ③所定の計測装置に収まる形状 計測回数2回 
  ④見た目は実習で製作するオシレーションエンジンと一緒であること
 
入賞作品
 
大会の様子(選手宣誓や参加者)