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「電子放出!微生物発電!! ~電気科課題研究~」
みなさんこんにちは。三郷工業技術高校放送部です。
みなさんは、微生物発電という言葉を聞いたことがありますか。微生物発電とは、細菌のような微生物を利用して電気を作る方法です。微生物は生ごみやヘドロなどに含まれている有機物を食べて、分解します。その過程で電気を発生する細菌があります。1980年代にアメリカで発見されたシュワネラ菌という細菌です。生活排水などに含まれる有害な有機物を分解し、しかも電気を作ってしまうというこの微生物に、注目が集まっています。
このシュワネラ菌という細菌は、「発電する細菌」とも言われていますが、実は私たちの身のまわりのいたるところに普通に生息しています。土の中や海、川、湖の底に生息しています。私たちの体内にも生きています。この、シュワネラ菌を使って微生物電池をつくる研究を、電気科の3年生が課題研究ではじめました。福手孝典くん、矢野貴大くん、平垣知哉くん、髙橋修弥くんの4人です。6月18日(月)のお昼の校内放送「てく☆すて」では4人の研究を紹介しました。
微生物発電の研究を始めることになった経緯を福手くんに聞きました。
「自然環境にかかわるテーマについて先生方からいくつか参考例を提示していただいた中に、この微生物発電も含まれていました。資料は難しかったのですが、1年間かけて研究するなら、ちょっと難しそうでもやりがいのある内容に取り組んでみたいと思って研究することにしました」
研究が始まってから2カ月半が過ぎました。いままでやってきたことについて、矢野くんに聞きました。
「インターネットを使って事前調査をすすめて、微生物電池の構造や有機物を分解するときに電子を放出する仕組みについて調べました。アメリカの教材機器メーカーで作っている実験用キットを購入して、学校周辺の様々な場所から土を採取してきて実験してみました。学校のそばの台に大場川の泥を採取するときは足が滑って危うく川に落ちそうになりましたが、そこで採取した土を使った電池の発電量が一番大きかったです。それと、シュワネラ菌が好むエサを加えると発電量が増すとネットでみつけた資料にあったので、いろいろ試してみたところ、トマトケチャップを加えたサンプルで発電量が増加することがわかりました。」
研究は着々と進展しているようです。現段階での課題について平垣くんに聞きました。
「市販の実験キットでの発電がうまくいったので、今度は自分たちで電池を作ってみたのですが、発電量があまり増えません。発電量を増やしたり、あるいは複数の電池をつないで大きな電圧を取り出すにはどうすればいいか、いろいろ研究しているところです。」
これからの目標について髙橋くんに話を聞きました。
「今回の研究では市販の乾電池レベルを目指しています。私たちが作った電池でZゲージの電車の模型を走らせてみたいと考えています。」
今後の展望について担当の中島先生に聞きました。
「今の段階でそれぞれの電池を自分たちで作ることができるようになってきたので、これがどれくらい電圧を上げられるかという工夫がこの先の目標になります。そのあと世の中で動ているいろいろな電気製品をみんなで作った微生物電池で動かすことができるようにすることが今後の展望です。」
これからの研究の進展が楽しみです。
微生物発電班のみなさん、ありがとうございました。
おしらせです。
6月13日、水曜日に生徒会主催のたくみ祭参加団体説明会が行われました。今年は屋外ステージの設置があったりして、去年までのたくみ祭とはひと味違うようです。各クラス、有志団体の企画書の提出期限は7月13日です。みんなで素晴らしい企画を出し合って、たくみ祭を盛り上げましょう。
放送部でした。