『てく☆すて』夏休み特集③電子技術部がロボットコンテストで大活躍
みなさんこんにちは。三郷工業技術高校放送部です。
9月11日(水)のお昼の校内放送『てく☆すて』では、夏休み特集の第3弾をお届けしました。今回は8月下旬に行われた高校生ロボットコンテストの話題です。テレ玉とさいたま新聞社が主催する埼玉県高校生ロボットコンテスト。今年は8月28日(木)、鴻巣市にある関東自動車大学校で行われました。三工技の電子技術部と電子機械科の課題研究チームが、相撲ロボット、キャリアロボット、ライントレースカーの部門に出場しました。
相撲ロボットの対決は鉄の塊の激しいぶつかり合いです。出場するロボットには大きさと重さの制限があります。長さと幅はそれぞれ20センチ以内。重さは3キロまで認められています。見た目は少し大きめのお弁当箱のようですが、それが物凄いスピードでぶつかり合い、相手を弾き飛ばします。
電子技術部部長、機械科3年の杉山くんが製作した自律型ロボット『デユランダル』は圧倒的なパワーで敵をつぎつぎとなぎ倒し、遂に決勝戦までコマを進めました。対戦相手は越谷総合技術高校の『越総 - 翠嵐』。越谷総合は昨年の全国大会に自律型の部門で出場しています。対戦を直前に控えた杉山くんに意気込みを聞きました。
「まぁ、やるからには全力でやりたいと思っています。」
決勝戦では越総の『越総 - 翠嵐』が猛烈なアタックをかけますが、『デュランダル』はそれに耐えます。逆に『翠嵐』は勢い余って自損。センサーが壊れてしまい制御不能に。試合の勝敗は『デュランダル』の勝ちとなりました。闘いを終えた杉山くんのコメントです。
「実感がなかなかわいてこないですね。機体については自信がありました。勝てる機体を作ったつもりです。結果が出て良かったです。」
今回優勝した『デユランダル』の設計コンセプトは昨年の全国大会の反省にあります。昨年11月に福島県郡山市で行われた高校生相撲ロボットコンテスト全国大会に、電子技術部はラジコン部門で出場しました。初出場にして関東地区予選を突破して全国大会へ。初戦に勝利してベスト16に食い込むという快挙を成し遂げましたが、同時に「全国大会」のレベルの高さを見せつけられることになりました。モータ制御の技術やロボット本体を加工する加工技術の向上など、浮き彫りになった課題を克服するために新たに設計・製造されたのが『デュランダル』です。本格的な製造は今年の2月ごろから始まり、約半年かけて仕上げました。7月に川口市で行われた大会を経て、今回の埼玉県大会優勝にこぎつけました。
機械科の杉山くんは主に機械加工技術のレベルアップを担当。毎日遅くまで学校の工場にこもり、フライス盤と格闘する日々が続きました。ロボットは沢山の部品から構成されています。それぞれの部品の加工精度が甘いと、それらを組み合わせた時に全体のバランスが崩れてしまいます。運動性能は落ちるし、防御力も弱まります。1つ1つの部品の精度をどれだけ高められるかがカギになります。それと同時に軽量化も進めなければなりません。「重量がなかなか落とせなかった」と杉山君は言います。最終的には2.98キロを実現しました。
モータ制御回路のグレードアップも今回の優勝の大きなカギの一つです。もともと高価なモーターを使ってはいますが、大きな電圧を加えることによってパワーを増やすことが出来ます。従来のロボットには28ボルトの電圧をかけていたのですが、『デュランダル』では一気に36ボルトまでパワーアップさせることに成功しました。県内では先駆け的な取り組みだそうです。この昇圧を可能にしたモータードライブ回路の成功が大きかったと杉山くんは話してくれました。
今回のコンテストでは他の部門でも三工技のロボットたちが大活躍でした。相撲ロボットでは自律型の優勝の他にラジコン型で3位入賞。キャリアロボットの部門では4位に食い込んで11月に新潟で行われる全国大会の出場権を獲得しました。ライントレースの部門では優勝から3位までを独占。多くの三工技生が表彰台に上りました。電子技術部の顧問の村石先生に今回の大会の講評を聞きました。
「夏休み中めいっぱい労力をかけた割にはパフォーマンスが悪かったかなと思いますが、ちゃんと頑張った生徒には結果がついてきたので良かったです。相撲ロボについては、杉山くんは2年生のころから加工技術の向上にむけて頑張って来たので、結果が出せてよかったと思います。結果が出せなかったラジコン型は日ごろの練習不足ですね。ロボット本体は優勝校と対等に渡り合えるマシンだと思いますので、使いこなせるようになってほしいです。」
さて、電子技術部の暑い夏はかくして終わりましたが、早くも次のステージが始まっています。この前の日曜日、9月8日にパシフィコ横浜を会場にして全日本相撲ロボット大会・関東ブロック大会が行われました。『デュランダル』を含めて自律型2台、ラジコン型2台が三工技からエントリーしました。
残念ながら『デュランダル』は1回戦で敗退。センサーの感度が高すぎて動作が安定しませんでした。しかし電子機械科の課題研究チームが制作した『武蔵』が3位に入賞し全国大会出場の切符を手にしました。8月の埼玉大会では初戦敗退だったマシンです。ロボット大会は何が起こるかわかりません。
11月のキャリアロボット全国大会、相撲ロボット全国大会、産業教育フェアと電子技術部の戦いが続きます。頑張ってください。
( 1年 山賀 琉騎 )