放送部活動記録

電子機械科課題研究「チーム・アース」、WRO全国大会出場

みなさんこんにちは。三郷工業技術高校放送部です。

99日、石川県金沢市でWRO(ワールド・ロボット・オリンピアード)ジャパン、第15回決勝大会が行われました。WROは自立型ロボットの国際的なコンテストです。市販のロボットキッド・LEGO(レゴ)を使う大会で、小学生から高校生まで幅広い年齢層の参加者が集まります。この大会に本校電子機械科3年生の課題研究「チーム・アース」が出場しました。メンバーは3年3組の北村飛龍くん、下山翔くん、金子怜くんの3人です。9月28日のお昼の校内放送「てく☆すて」では「チーム・アース」のWRO出場の話題をお届けしました。

課題研究は各専門学科の学習の集大成です。1年生、2年生で学んできたことを基礎にして、自分たちが選んだ研究テーマを追求します。「チーム・アース」は課題研究でLEGOによる自律型ロボットシステムをつくることを目的にしたチームです。課題研究でLEGOに取り組むことになった経緯について、北村飛龍くんは「自分はもとからレゴが好きで、課題研究もレゴをやりたいって思っていた。」と話してくれました。北村くんは小学3年の頃からLEGOでロボットを作ってきたそうです。

WROの競技種目には、あらかじめ決められた規定課題を競技する「レギュラーカテゴリー」部門や、21チームでフットボールを行う「フットボール」部門などがあります。「チーム・アース」は「オープンカテゴリー」部門にエントリーしました。「オープンカテゴリー」部門というのは、与えられたテーマを研究し、テーマに沿ったロボットを作成する競技です。今回の大会のテーマは「FOOD MATTERS」。ロボット技術を活用して食糧問題を解決する方法を考えます。

「チーム・アース」が制作したシステムの名称は「永遠の農業技術」です。農業生産の現場にロボット技術を投入して生産性の向上を図るというコンセプトですが、その特徴は田んぼの働きに着目したことです。田んぼの多面的機能について下山翔くんに聞きました。

  

 

「田んぼには水をためる機能があり、大雨などによる洪水を防止することができます。土砂崩れを防ぎ、川の流れを安定させるはたらきもあります。夏の暑さを和らげる働きや、様々な生き物の住処にもなります。食べ物を生産するだけでなく、地球温暖化による土地被害への対応策にも効果があります。また水を浄化するはたらきもあります。」
  

「永遠の農業技術」ではロボットを使って、田植え、稲刈り、作物の運搬と倉庫管理を自動化しています。作物の運搬にはベルトコンベアと搬送車を用い、積み込みにはロボットアームを利用しています。倉庫には全自動の精米機が設置され、お米を炊く機能もあります。お米を炊くのはソーラークッカーといって、太陽エネルギーを利用する調理システムです。太陽熱を吸収するパラボラは、常に太陽の方向を向くようにプログラムされています。炊飯には田んぼで浄化されたきれいな水が使われるようになっています。ロボットをコントロールするNXTユニットは7台使われています。作品について、苦労したことや工夫したことについて金子怜くんに聞きました。

 


  
「作品の構想をまとめたのは3月です。製作は4月から始めました。WROに出場するには7月の上旬には完成させる必要がありました。限られた資金の中でいかに仕上げるか、みんなで知恵を絞りました。技術的には搬送車の部分をライントレースにしたのですが、そのプログラムを組むのが難しかったです。」

WROの「オープンカテゴリー」部門では作品を紹介するビデオとレポートによる事前審査をパスしたグループが全国大会に出場し、作人展示とプレゼンテーションを行います。最優秀作品に選ばれるとタイのチェンマイで行われる国際大会に出場できます。三郷工技の「チーム・アース」は書類とビデオの審査を見事に突破して全国大会のステージでプレゼンテーションを行いました。北全国大会の様子を村くんに聞きしました。

 

  

「全国大会の1日目に設営があります。作品は宅急便で送ったのですが、運搬中にロボットが壊れるんじゃないかと心配でした。無事に届いたのでよかったです。当日は何回か発表の場があったのですが、1回めのときにはなかなか声が出ず緊張しました。2回目、3回目と続けるごとに言葉もうまくしゃべれたり、話もまとまってきてよかったです。」

残念ながらタイで行われる国際大会への切符は手に入れられませんでしたが、貴重な経験が積めたようです。指導教員の神田先生にもコメントをいただきました。

  
「生徒たちは春休みから計画等を立ててよく頑張ってくれたと思います。書類提出などの期限が迫ってくると休日も学校に来て活動しました。夜遅くまでがんばった成果が全国大会につながったと思います。全国大会では緊張する中、いいプレゼンができました。参加した生徒達はいい経験が出来たと思います。この経験を社会に出ても活かしていってほしいと思います。」

「チーム・アース」の皆さんはロボット製作を通じて食糧問題や環境問題についての見識も深め、多くの人の前で発表するという機会も掴みました。「チーム・アース」の皆さん、お疲れさまでした。ロボット作りに興味がある人、LEGOに興味があり人は是非WROにチャレンジしてみてください。
( 1年 藤丸 怜 )