技術を手に、世界を変える旅に出かけよう!
卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。教職員を代表して心よりお祝い申し上げます。
思い起こせば3年前、まだ中学生の面影を残しながら参列したお子様の入学式から、今日の晴れの日を迎えるまでのおよそ千日間、保護者の皆様におかれましては、学校におけるお子様の様子を気に掛ける日々の連続であったと拝察いたします。卒業式という晴れの舞台をぜひお見守り下さい。
卒業生の皆様に申し上げます。3年間の努力が実り、今日の卒業式を迎えることができました。3年間の高校生活を全うし、卒業証書を手にするということは、簡単にできることではありません。充実感、達成感を感じるとともに、大きく安堵されていることと思います。
高校3年間の学校生活を振り返り、一番の思い出は何だったでしょうか。また、いま改めて振り返ってみて、本校で学んだことについて、よかったと思っていただけたでしょうか。
3学期始業式の校長講話では、本校の卒業生の活躍について触れました。テレビ東京の番組で取り上げられたサッカー元日本代表の中澤裕二さん、同級生の増田智弘さんは、皆さんにとっても、とてもまぶしい存在の先輩なのではないかと思います。特に、テレビで見た中澤さんからは、母校を愛する気持ちが伝わってきて、うれしくなりました。また、箱根駅伝で城西大学のアンカーを務めた荻久保寛也さんは、卒業生の皆さんが1年生の時の3年生でしたが、たくさんの報道に取り上げられて、とてもビッグな存在となった印象があります。
卒業生の皆さん、今度は皆さんの番です。特に有名になることが目的ではありません。自らの選んだ道でしっかりと居場所を確保し、自信を持って、後輩たちに背中を見せていただければ十分です。ご活躍を期待しております。
さて、卒業生の皆さんが学年末考査を終えた1月31日、体育館で、全国ジュニアマイスター表彰と、高校生資格等表彰制度埼玉県知事表彰受賞者の記念撮影がありました。みな自信に満ちた表情をしていたのが印象的でした。本校では以前から、資格取得には熱心に取り組んでおりますので、卒業生の皆さんが中学生のときに見た本校の学校案内のパンフレットにも、同様の先輩の写真があったのではないかと思います。
何事にも言えることですが、自ら「やる」と宣言したことを、実際にやってみせるというのは、難しいものです。今年は合わせて153名とのことですが、多くの皆さんが、本校を志願される際、志望動機の一つに資格取得を挙げたのではないかと思います。3年後、実際に資格を取得し、表彰を受けて今度は自分が笑顔で写真に納まるというのは、考えてみれば、とても大変なことです。受賞された皆さんをはじめ、3年間で多くの資格を取得された皆さんに、改めて敬意を表したいと思います。
資格は皆さんを裏切りません。みなさんは、ある特定の分野で、「自分はできる」ということを証明したことになります。一つのことをやり遂げることができる人は、他の仕事も任せてもらえるようになります。社会とはそういうものです。皆さんは、ライセンス・ホルダーです。卒業した後も、自信を持って、新しいことに挑戦していただきたいと思います。
最後に、卒業生の皆さんに、「航空工学の父」と称されるセオドア・フォン・カルマンという人のことばを贈ります。夏季休業登校日の校長講話で紹介したことばですが、よいことばだと思いますので、もう一度贈ります。
「科学者はあるがままの世界を研究し、工学者は見たこともない世界を創造する」
科学者は、世界を知ろうとするようですが、工学者は、自らの技術で、世界を変えようとするのだそうです。皆さんは、工業高校である本校で「工学」を勉強し、技術を習得しました。いよいよ卒業です。「世界を変える」ため、仕事に、学業に、取り組んでいただきたいと思います。
結びに、菊地智代美PTA・後援会会長様をはじめ、特に卒業生のPTA理事様、会員の皆様には、空調設備の設置・稼働という、本校の歴史に残る大事業を円滑に進めていただくなど、3年間にわたって本校を支えていただきました。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。今後とも、本校の応援団として、お力添えを頂戴できると幸いでございます。