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第1学期始業式 校長講話
皆さん、おはようございます。春休みはいかがだったでしょうか。4月1日に新しい元号である「令和」の発表がありました。気持ちを新たに頑張っていきたいと思います。
今年の卒業生も、就職希望者全員が内定をいただくことができました。この内定をいただいた企業のホームページを一通り拝見して、気が付いたことがあります。
大学生は自由応募制なので、多くの企業の求人に関するページは、主に大学生を対象につくられているのですが、高卒求人の中で、工業高校を卒業する生徒を特に求めているというメッセージを発信している企業が、意外と多いということです。ここからはあくまで想像ですが、その鍵は、普通高校と工業高校のカリキュラムの違いにあるのではないかと思います。
普通高校のカリキュラムは「普通科」ですから、一般的にどのような進路にも対応できるようになっています。中学校卒業時に自分の進路が具体的に決まっていなくても、高校3年間でゆっくり考えることができるというメリットがあります。
では、本校のような工業高校はどうでしょうか。本校は、学科別に生徒を募集していますので、普通科の高校生が高校3年間でゆっくり考えている進路について、実はみなさんは前倒しで、中学3年生のときに、ある程度絞り込んでいるということになります。進路選択を先取りしているということになります。
次にカリキュラムです。普通科の高校は、5教科7科目の座学を中心に、幅広く授業を履修しています。それに対して皆さんは、年間およそ三分の一を、専門教科である工業の学習に費やしています。その中には、皆さんもご存知の通り、実習の授業が多く含まれています。この実習の授業を受けているかいないかが、企業の方が高校生を見るときの、ポイントの一つになっているのではないかと思います。
実習は体験的な授業ということで、皆さん一人一人が手順をよく理解して、友だちと協力しながら取り組んでいきます。その体験で理解したこと、気づいたこと、発見した課題などは、毎回課されるレポートにまとめていきます。実はこの実習の持つプロセスが重要なのではないかと思います。
実習の授業では、成果や課題をレポートにまとめることにより、知識・技能だけでなく、思考力・判断力・表現力を身に付けることができます。高校3年間で、実習を通して実際に体験的に学んだ経験がある人材と、そうでない人材には、この時点で大きな差がついていると考えます。
これからの時代は、もののインターネット化、IoTが中心になると盛んに言われています。IoTが時代の主役となることは恐らく避けられないと思いますが、機械検査や機械保全、電気工事士等の資格を持って、ロボットなどの面倒を見るのは、間違いなく、高校時代に実習を経験している皆さんです。また、eコマースやフィンテックなど、インターネットが主役となる時代において、グラフィックやプログラムの面倒を見るのも、やはり高校時代に実習を経験している皆さんだと思います。
令和の時代は三工技の時代です。ぜひ、自信をもって日々の授業に取り組んでいただきたいと思います。
最後に、大学合格速報を伝える週刊誌の記事を見ていたら、早稲田大学1名の欄に、「三郷工業技術」の名前がありました。情報技術科の卒業生だということです。本校から早稲田大学にも進学することができます。ぜひ、皆さんも後に続いていただきたいと思います。頑張りましょう。以上で校長講話を終わります。