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平成30年度 入学式 式辞
爛漫たる春の装いの中、今年もまた、伝統ある埼玉県立三郷工業技術高等学校に、希望に満ちた新入生を迎える季節が巡ってまいりました。ただ今、入学を許可した皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を、教職員並びに在校生とともに、心から歓迎いたします。そして、保護者の皆様にとりましても、お喜び一入のことと拝察いたします。
また、本日は、本校PTA・後援会会長 菊地智代美様をはじめ、多数のご来賓と保護者各位のご臨席を得て、平成30年度の入学式を挙行できますことは、私ども関係者一同、大きな喜びでございます。ご臨席を賜りました皆様に改めてお礼申し上げます。
本校は、先端工業技術を学ぶことを目的として昭和60年に開校し、今年で創立34年目を迎える工業高校であり、この間、様々な分野で活躍される著名人やリーダーを輩出してきました。歴史と伝統のある本校の扉を皆さんは叩き、開かれました。そして、本校歴史の34ページ目に、皆さんの名前と足跡が刻まれるのです。こうした伝統ある学校で学ぶことに誇りと責任を持ち、3年間の生活を送ってほしいと思います。
さて、本校に入学する新入生の皆さんに、改めて、本校の校訓を紹介したいと思います。ステージ右手の壁面をご覧いただきたいと思います。
本校の校訓は、「正確に、はやく、美しく」です。
信頼されるためには、仕事は正確でなければなりません。また、工業技術の進歩は極めてはやいため、常に創意・発想は豊かに、そして実行はすばやく、集会・授業など時間厳守、5分前の精神で行動し、提出物等の決まりはしっかり守ることが必要です。さらに、工業製品は美しくなければならず、それらを生み出すものづくりの現場も、常に整理整頓が行き届いていることが求められています。本校の校訓は、将来、社会で信頼される技術者となるために、身に付けてもらいたい点をまとめたものとなっております。
こうした校訓の精神は、時代を超え、先輩から後輩へ受け継がれながら、在校生一人ひとりの中に、本当にしっかりと生き続けています。学校全体に、「正確に、はやく、美しく」が浸透し、校風となっていますので、皆さんも先輩に負けずに、学校生活のあらゆる場面で、この校訓を心がけていただきたいと思います。
もう一つ、本校で学ぶにあたってお伝えしておきたいことは、これからの社会は、どれだけ勉強したか、あるいは多くの知識を持ったかではなく、何ができるようになったかが重視されるということです。そこで、本校では、何ができるようになったかといった力をつけることを、皆さんに求めていきたいと考えています。本校では、工業教育における学力保障の一環として、資格取得に力を入れております。一つの資格を取得することで達成感が生まれ、次の資格に挑戦する気持ちが生まれてきます。また、本校では、埼玉県高校生専門資格等取得表彰制度やジュニアマイスター顕彰制度により、卒業時には多くの資格を取得した生徒の表彰を行っております。平成29年度は、116名の卒業生が表彰されましたが、その表情はみな自信にあふれ、よい笑顔でありました。このように、学びに向かう力の育成や、自己肯定感を高める観点からも、資格取得は有効であると考えております。多くの皆さんが前向きに取り組み、卒業時には、一人でも多くの皆さんが表彰されることを願っております。
最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、重ねてご入学のお慶びを申し上げます。この15年間、様々なご苦労があったかと存じますが、お子様をここまで立派にお育てになったことに対し、心より敬意を表します。
本日、大切なお子様を確かにお預かりいたしました。必ずや、まだあどけなさが残るお子様を、大人の若者へと成長させることをお約束します。ぜひ学校のことを百パーセント信頼していただくとともに、家庭と学校との風通しをよくしながら、お子様の成長に向け、一緒に取り組んでいきたいと思いますので、ご支援・ご協力をお願いいたします。
それでは、3年後の卒業式の際、ここにいるすべての生徒・保護者の皆様が「三郷工業技術高校に来て本当によかった」と思っていただけることを心から願い、私の式辞といたします。
平成30年4月9日
埼玉県立三郷工業技術高等学校長