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第1学期朝礼 校長講話
皆さんおはようございます。先週金曜日の体育祭は大変お疲れさまでした。
早いもので、6月に入りました。更衣ということで、これからしばらくの間夏服になります。また、三者面談が始まります。中間考査の結果はいかがだったでしょうか。思うように点が取れなかった場合は、授業を受ける態度や家庭学習習慣など、何らかの課題がある場合が多いのではないかと思います。保護者の方や担任の先生とよく相談して、学期末に欠点となることがないように、早めの対応をお願いします。
さて、ここ数年、この6月の朝礼の校長講話では、主権者教育のお話をしています。18歳選挙権は、現在NHKの朝ドラ「なつぞら」で主演を務めている広瀬すずさんのポスターで周知が始まりました。2016年のことです。3年生の皆さんにも、いよいよ順番が回ってきました。
今年は4月に統一地方選挙がありました。この後も、7月に参議院議員選挙、8月に埼玉県知事選挙という、大きな選挙を二つ控えています。3年生の皆さんは、4月生まれから順番に選挙権を得ることになります。人生初の選挙ですから、ぜひ、投票に行っていただきたいと思います。本日は投票する際の留意点を二つお話ししたいと思います。
一つ目は、国の仕事と、都道府県の仕事の違いについて、改めて理解を深めていただきたいということです。
先日、アメリカ合衆国のトランプ大統領が、国賓として来日しました。このように、外交や防衛など、国全体にかかわることは、「国政」といって、国の仕事になっています。皆さんは、「三権分立」を勉強したと思います。安部首相をトップとする内閣が国の政治を行いますが、その行政機関が適切に仕事を行っているかをチェックしているのが議会です。国には、「二院制」といって、衆議院と参議院という二つの議会があり、ダブルチェックを行っています。このうちの参議院の議員を選ぶのが参議院議員選挙です。国が行う仕事のチェックを任せることができる人を、皆さん自身が選ばなければなりません。この機会にもう一度、国の仕事とは何か、確認しておくことをお勧めします。
同様に、埼玉県知事選挙では、県の執行機関である県知事を選ぶことになります。都道府県知事は、その権限が広範囲に及ぶため、「大統領」に近い存在だと言われることもあります。最近、「翔んで埼玉」という映画がヒットしました。映画の中では東京都知事がクローズアップされていましたが、今度の選挙では、実在の埼玉県知事を皆さんが選ぶことになります。投票に行く前に、国や市町村とは異なる県の仕事について、確認をお願いしたいと思います。
二つ目は、皆さんが納める税金について、理解を深めていただきたいということです。
皆さんがものを購入するときに支払っている消費税8%のうち、1.7%が地方消費税となっていますので、先ほどお話しした国の仕事を行うために、6.3%が使われています。
また、皆さんが就職して給料を受け取ると、「給与明細」をもらいます。就職してすぐには書かれていないこともありますが、そこには、「所得税」と「住民税」という項目があり、記載されている金額が、「源泉徴収」として予め差し引かれています。所得税は国の仕事に、住民税は都道府県や市町村の仕事に、それぞれ使われています。
皆さんは現在も将来も納税者です。国や都道府県が仕事をするためのお金を払っています。参議院議員選挙では、皆さんが払った国税をどう使うかを、皆さんの代わりにチェックしてくれる人を選ぶことになります。一方、県知事選挙では、皆さんが納める住民税をどう使うかの案を議会に提出する県知事を選ぶことになります。
皆さんは今後、結構な額の税金を支払うことになります。どのように使われているのか、その使い道について、ぜひ関心を高めていただきたいと思います。