日誌

2学期のスタートにあたって(9/1)

9月1日(月)

 本日より、令和7年度の第2学期が始まりました。まだまだ暑さが厳しい日々が続いていますが、生徒の皆さんは元気に登校し、新たな学期のスタートを迎えました。

 3年生にとっては、いよいよ進路決定の大切な時期です。これまでの学びや経験をもとに、自分の将来と真剣に向き合い、一歩一歩着実に進んでいってほしいと思います。

 2年生は、10月に予定されている修学旅行を通して、仲間との絆を深め、視野を広げる貴重な機会となります。事前学習や準備を通じて、学びをより深めていきましょう。

 1年生にとっては、高校生活で初めての文化祭や体育祭が控えています。仲間と協力しながら行事に取り組む中で、学校生活の楽しさや達成感を味わい、自信を育んでほしいと願っています。

 2学期は、学習面でも行事面でも大きく成長できる時期です。一人ひとりが目標を持ち、充実した日々を過ごせるよう、教職員一同、全力でサポートしてまいります!

<始業式_校長講話>

 みなさん、おはようございます。長い44日間の夏休みが終わりましたが、皆さん、どのように過ごしましたか?1学期の終業式で、“小さな積み重ねが、大きな力になります!”と伝えましたが、この夏、成長することができましたか?その成果の一つとして、部活動や、その他、学科等の活動において、成果や優秀な結果を残した生徒がたくさんいました。

  2学期の始業式に、私から皆さんに、3点お話しします。この3つにはそれぞれ、「知ってほしいこと」「考えてほしいこと」「実践してほしいこと」が込められています。

  1つ目は「戦後80年と、今も続く世界の紛争」について

 今年の夏、日本は戦後80年という節目を迎えました。1945年の終戦から80年。戦争を経験した世代が少なくなる中で、私たちは「平和とは何か」「命の尊さとは何か」を改めて考える必要があります。しかし、世界に目を向けると、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、今も多くの地域で紛争が続いています。戦争は遠い過去の話ではなく、今この瞬間にも命が失われ、日常が壊されている現実があります。私たちが平和な社会の中で学び、生活できることは決して「当たり前」ではありません。だからこそ、平和の尊さを知り、それを守る意識を持つことが、皆さん一人ひとりに求められています。では、高校生の皆さんに今できることは何でしょうか。

 “まずは「知ること」”世界で何が起きているのか、ニュースや本を通じて関心を持ち、事実を知ることが第一歩です。情報に触れることで、視野が広がり、自分の考えを深めるきっかけになります。

 “次に「考えること」”「なぜ争いが起きるのか」「どうすれば平和を築けるのか」を、自分自身で考える機会をつくってください。そして、友人との会話の中で意見を交わすことも大切です。異なる考えに触れることで、対話の力を育むことができます。

 “そして「身近な平和を守ること」”学校や家庭、地域の中で、互いを尊重し、思いやりを持って接すること—、つまり「リスペクト」することです。小さな言葉づかいや態度の中に、平和の種があります。身近な人との関係を大切にすることが、社会全体の平和につながっていきます。

 平和は、誰かが守ってくれるものではなく、私たち一人ひとりがつくっていくものです。皆さんが日々の生活の中で、争いではなく対話を選び、無関心ではなく関心を持つこと。それが、未来の平和につながっていきます。私自身も戦争を経験していません。しかし、戦争の悲惨さと平和の尊さを、次の世代に伝えていく責任があると感じています。皆さんも、これからの時代を担う者として、平和の大切さを後世に伝えていってください。

  2つ目は「日航機墜落事故から40年と、工業高校としての使命」ついて

 1985年8月12日、日本航空123便が群馬県の御巣鷹の尾根に墜落し、520名の尊い命が失われました。これは単なる事故ではなく、「安全とは何か」「技術とは何のためにあるのか」を深く問いかける出来事でした。本校は工業高校です。皆さんは、機械、電気、情報など、さまざまな技術を学んでいます。技術は人の生活を便利にするだけでなく、「命を守る」ためにも使われるべきものです。日航機事故では、整備や設計、運航の中での小さなミスが大きな悲劇につながりました。だからこそ、技術者を目指す皆さんには、「安全を最優先する姿勢」「責任あるものづくりの心」を持ってほしいと思います。技術は人を幸せにする力があります。皆さんの手で、安心して暮らせる社会をつくっていってください。

 3つ目は「9月1日「防災の日」~今、災害が起きたらどうする?そして、どう備える?~」ついて

 本日9月1日は「防災の日」です。これは、1923年の関東大震災を教訓として定められた日です。日本は地震や台風など、自然災害が多い国です。災害はいつ、どこで起こるかわかりません。では、もし今この瞬間に大きな地震が起きたら、皆さんはどうしますか?まずは、その場でどう動くか、何を守るか、誰に声をかけるか。その「最初の行動」が命を左右します。ここで大切になるのが、「自助・共助・公助」という考え方です。

自助(じじょ):まずは自分の命を守ること。机の下に身を隠す、窓や棚から離れる、火を使っていたらすぐに消す。冷静に判断し、行動する力を日頃から養っておくことが大切です。

共助(きょうじょ):周囲の人と助け合うこと。友人が困っていたら声をかける、避難の際に高齢者やけが人を支える。学校という集団の中では、共助の力が非常に重要です。

公助(こうじょ):行政や消防、警察など、公的機関による支援です。ただし、公助が届くまでには時間がかかることもあります。だからこそ、自助と共助が先に動けるようにしておく必要があります。

 そして、災害が起きたとき、学校は地域の避難所になる可能性があります。そのとき、皆さんは単なる「避難者」ではなく、避難所を支える人材として活躍できる存在になってほしいと思います。避難所では、物資の管理、情報の伝達、電気や水の確保、衛生管理など、さまざまな役割があります。皆さんには「自分の命を守る」だけでなく、「誰かの命を支える」ことができる人になってください。

 以上3点ですが、この夏は、戦後80年、日航機事故から40年、そして防災の日という、命と社会を見つめ直す節目が重なりました。皆さんには、冒頭にお伝えしたとおり、「知ってほしいこと」「考えてほしいこと」「実践してほしいこと」が込められています。皆さん一人ひとりが、自分の行動で「よりよい未来」をつくる一歩を踏み出してくれることを期待しています。

 最後になりますが、まず3年生にとっては、進路決定の大事な時期です。今までの学びや活動の集大成を迎える時期でもあります。現状に満足せず、さらに一歩先を見据えた努力が必要です。就職や大学や専門学校など、進むべき道を明確にするために、改めて自分自身を振り返り、まだ足りない部分を補う努力を惜しまないでください。そして、進路が決定したら終わりではありません。逆に決定後が大事です。進むべき道を究めるためにも、その準備期間として過ごしてください。2年生は、修学旅行という大きな行事があります。これは単なる旅行ではなく、新しい知識や経験、人間関係を築くチャンスです。現状に安住せず、積極的に新しいことに挑戦し、自己成長を図る機会にしてください。そして、来年の3年生を見据えた準備期間としても重要です。1日1日を大切に過ごしてください。1年生にとっては、高校生活初めての文化祭や体育祭など、多くの行事があります。これらの行事は学校生活を彩るだけでなく、自分を表現する場でもあります。何事も最初が肝心です。現状に甘んじず、新しい友達を作り、積極的に活動に参加することで、自分の可能性を広げてください。

  この2学期が、皆さん一人ひとりにとって「自分を高める時間」となり、仲間とともに成長できる充実した日々になることを、心から願っています。