日誌

第38回卒業証書授与式(3/12)

3月12日(水)

 本日、第38回卒業証書授与式が行われ、147名の生徒が本校を巣立っていきました。式は、厳粛な雰囲気の中で行われ、素晴らしい卒業式となりました。卒業生の皆さんの新たなステージでの活躍を心から願い、保護者の皆様には、3年間、本校の教育活動へのご理解とご協力に深く感謝いたします。

<式辞>

 新緑がまぶしい、希望に満ちた、この佳き日に、埼玉県立三郷工業技術高等学校第38回卒業証書授与式を挙行できますことは、誠に感慨深く、また大きな喜びであります。PTA後援会 会長 中村恵理子様をはじめ、保護者の皆様、そして多くの御来賓の皆様にご臨席を賜り、心より感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与いたしました147名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 保護者の皆様におかれましては、高校生という多感な時期を送るお子様に、時には厳しく、時には暖かく寄り添いながら、共に過ごされた三年間であったと思います。本校に入学して以来、今日に至るまでの三年間の様々な思いが胸をよぎり、感無量のことと拝察いたします。成長されたお子様の今日の門出を、心からお慶び申し上げます。

 卒業生の皆さん、高校生活を振り返ってみて、皆さんの思いはどのようなものでしょうか。三年前に、アフターコロナと言われた頃、高校生活がスタートしました。本校初の一年次ミックスホームルームが始まり、学科の枠を超えた仲間づくりが育まれたことと思います。二年生からは、「社会の即戦力となる技術者を目指す」専門コースと「ものづくりの経験を活かし、高等教育でさらに伸長する」大学コースに分かれ、各自が進路実現に向けて努力し、将来の夢に向かって大きく羽ばたくための準備を整えました。その道のりは決して楽しいことばかりではなかったと思います。課題やレポート提出、部活動やコンテスト、資格取得に向けた日々の学習、さらに三年生になってからは、就職に向けた準備や進学に向けた受験勉強に苦労されたことでしょう。また、時には、親や友人と考えが合わずぶつかり、悩んだ方も多かったかもしれません。これらの経験を通して、皆さんは一歩一歩成長し、大切な財産を築かれたことと思います。

 さて、この素晴らしい日に、未来への希望に満ちた皆さんの門出を祝し、はなむけの言葉として、「これからの社会を生き抜いていく」うえで大切なことを二つ、話したいと思います。

 一つ目は「常に学び続けること」です。現在、私たちを取り巻く社会は、日々変化し続けています。特に、工業の世界は目覚ましい技術革新によって、常に進化を続けています。かつては数年単位であった技術革新のサイクルは、今や数年でなく、年単位、あるいは月単位でさえあると言えるでしょう。この変化の波に乗り遅れないためには、常に学び続けることが不可欠です。常にアンテナを張り巡らし、新しい技術や知識を積極的に吸収して、自分自身のスキルをアップデートすることで、社会に貢献できる人材へと成長していくことでしょう。

 二つ目は「人との出会いとつながりを大切にすること」です。皆さんは、この三年間、多くの仲間と出会い、共に学び、時にはぶつかり合いながら成長してきたはずです。この経験を通して、人との信頼関係を築くことの大切さ、そしてチームワークの力を学んだことと思います。社会に出ても、この経験を忘れずに、新たな出会いを大切にしてください。様々な人と出会い、学び、協力し、共に成長していくことが、皆さんの未来をより豊かなものにしてくれるでしょう。そして、忘れずにいてほしいのは、この工業高校で培った仲間との絆です。困難に直面した時、迷った時、相談できる仲間がいることは、大きな心の支えとなるはずです。卒業は、新たな出会いの始まりでもあります。常に新しい出会いを求め、人とのつながりを大切にすることで、皆さんの未来は大きく広がっていくことでしょう。

 結びとなりましたが、卒業は、一つの終わりではなく、新たな始まりです。未来への扉を開く皆さんに、最大限のエールを送ります。どうか、夢に向かって果敢に挑戦し続けてください。教職員一同は、皆さん一人ひとりが未来に向かって輝く姿を心から信じ、式辞といたします。

 令和7年3月12日 埼玉県立三郷工業技術高等学校 校長 髙橋 正行