日誌

3学期始業式(1/8)

1月8日(木)

 本日、3学期の始業式を行いました。私からは、新年の挨拶とともに、「3学期は年度の締めくくりの大切な時期。“人事を尽くして天命を待つ”という姿勢で、前向きに年度を締めくくり、新たな一歩を力強く踏み出してください。」
という話しました。また、式の前には表彰式を行い、2学期終業式と同様に、これまでの活動で活躍した多くの生徒を表彰しました。仲間の努力と成果を全校で称える、素晴らしい時間となりました。3学期は短い期間ですが、進級や卒業に向けて、一人ひとりが目標を持ち、最後まで全力を尽くすことが求められます。本校では、皆さんの挑戦と成長を、教職員一同、全力で応援していきます。

<校長講話>

 皆さん、おはようございます。そして、新年おめでとうございます。冬休みはいかがでしたでしょうか。ゆっくり休息できた人もいれば、部活動や補習で忙しく過ごした人もいるでしょう。どちらにしても、心と体をリセットし、新たな気持ちで3学期をスタートできたならうれしいです。

 3学期は登校日数も少なく、2学期以上にあっという間に過ぎてしまいます。3年生は卒業式を控え、4月から社会人になる人や、進学してさらに専門性の高い学びを習得する人など、それぞれの道へ進みます。2年生は1年後に、1年生は2年後に社会へと巣立っていきます。ここで皆さんに知ってほしいことは、社会には皆さんが想像以上に厳しい現実が待っています。学校という守られた環境から一歩外に出れば、甘えは許されず、自分の力が試される場面ばかりです。だからこそ、今のうちに心の準備をしておくことがとても大切なのです。新年を迎えるこのタイミングで、改めて夢や目標を見直し、新しい目標を立ててみてください。進路のことでも、学業、部活動、人間関係でも構いません。大切なのは、「これから自分はどう生きていきたいか」を真剣に考えることです。「夢は見るだけでは夢ではない」、「目標は立てただけでは意味がない」、その夢や目標に向かって、一歩でも前に進むための行動です。どんなに素晴らしい計画を立てても、動き出さなければ、それは理想のままで終わってしまいます。今年一年が皆さんにとって充実したものになることを心から願っていますが、その夢が叶うのは、皆さん自身の努力によってのみ「もたらされること」を忘れないでください。3年生は、卒業までの残りの日々を悔いなく過ごし、新しいステージに進む準備をしてください。2年生、1年生は、これからの社会で生き抜くために、興味を広げ、主体的に学び、成長してください。決して進級だけを目標にするのではなく、自分を少しずつ高めていく意識を大切にしてください。短い3学期ですが、しっかり年度を締めくくり、次につながる芽を育てる期間にしてほしいと思います。

 さて、年の初めということで、初詣に出かけた方も多いのではないでしょうか。神社やお寺で手を合わせるとき、皆さんはどんなことを願いましたか?進路、学業、健康など、それぞれに思いを込めたことでしょう。今日は「神頼み」という言葉について考えてみたいと思います。皆さんも「苦しいときの神頼み」という言葉を聞いたことがあるでしょう。普段は神様や仏様を信じていないのに、困ったときだけ助けてもらおうとするそんな意味合いで使われます。確かに、何も努力せずにただ祈るだけでは、人生の結果は変わりません。しかし、神頼みが全くダメというわけではありません。日本には、これを見事に表現した言葉があります。それが「人事を尽くして天命を待つ」です。この言葉は、自分にできることをすべてやり尽くしたうえで、最後は運命に任せるという意味です。つまり、努力を重ねた人だけが、最後に神様に祈る資格を持つのです。言い換えるなら、祈りとは努力の終着点であるということです。

 ここで、京セラの創業者・稲盛和夫(いなもり かずお)さんを知っていますか?稲盛和夫さんは、日本を代表する事業社で、1959年に京セラ(当時は京都セラミック)を創業しました。京セラを世界的企業へと成長させたほか、通信事業の第二電電(現KDDI)を設立。さらに、経営破綻した日本航空(JAL)の再建を無報酬で引き受け、短期間で再生させたことで知られている方です。残念ながら2022年に90歳で他界されました。その稲盛さんと京セラの専務取締役を務めた近藤さんの話を紹介します。京セラがまだ小さな会社だった頃、近藤さんは経営の厳しさに直面しながらも必死に努力を続けていました。ある時、短期間に大量の製品を納める大きな契約を受けることになったのです。ところが、何をやっても製品がうまく作れず、プロとして、経営者として、その責任の重さに近藤さんは悔しくて涙を流していたそうです。そこへ社長の稲盛和夫さんがやってきて事情を聞き、こう尋ねたそうです。「一度でも神様に祈ったことはあるか」と。この言葉に近藤さんは目を覚まされました。その後、近藤さんは決心したのです。「もう祈るしかないほど、自分にできることをすべてやり切ろう」と。そして、その覚悟を持って困難に立ち向かった結果、彼は難局を乗り切ることができたのです。稲盛さんは「経営は科学であり、哲学である」と語り、数字だけでなく、人としての心のあり方を重視しました。近藤さんはその教えを胸に、できる限りの努力を尽くしたうえで、最後に「もう祈るしかない」という境地に立ったことがあったそうです。その後、京セラは世界的企業へと成長しました。

 これは偶然ではなく、彼ら経営者の必死の努力があったからこそ実現した結果なのです。この話が示すのは、実にシンプルな真理です。祈りは「努力の証」であるということです。何もせずに祈るのは、単なる願い事です。しかし、やれることをすべてやり切った人が、最後に天に任せるために祈る、それが本当の「神頼み」です。そこには、自分の無力さを認め、同時に自分の努力を信じる謙虚さと強さが共存しています。皆さんも、これからの進路や仕事、学びにおいて困難に直面することがあるでしょう。資格試験に落ちることもあれば、思い通りにいかないこともあります。そのときに「神頼み」をするなら、まずは自分にできることをすべてやり尽くしてください。努力して努力して勉強する、何度も何度も練習する、自分の弱点と向き合う!そうした努力を積み重ねたうえで、初めて祈る資格が生まれるのです。覚えておいてください。努力を重ねた人だけが、最後に運を味方につけることができるのです。

 短い3学期ですが、ぜひ「人事を尽くして天命を待つ」という姿勢で、前向きに年度を締めくくり、新たな一歩を力強く踏み出してください。皆さん一人ひとりが、自分の可能性を信じ、最後まで全力を尽くす。そうした皆さんの努力と姿勢を、私たち教職員も全力でサポートします。2026年が皆さんにとって、そして本校にとって、飛躍の年となることを心から祈っています。