日誌

第35回卒業証書授与式

令和4年3月10日木曜日、第35回卒業式を挙行しました。とても暖かい春めいた佳き日、211名の卒業生は保護者と在校生、教職員の祝福を受け、元気に巣立っていきました。証書授与の場面では、卒業生ひとり一人と目礼を交わしましたが、その眼差しは緊張の中にも自らの前途への希望に満ちていました。それぞれの進路先で自信をもって、そして謙虚に、新しい仲間と協調しながら伸び伸びと学び、活躍して欲しい。心からそう願っています。

 

(以下、校長式辞)

 春の息吹が感じられる今日この佳き日、親愛なる卒業生を祝い、御家族の皆様をお迎えして第35卒業証書授与式を挙行できますことを大変うれしく思います。

 卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。 

 友人と精いっぱい楽しんだ学校行事や、部活動、果敢に挑んだ資格検定、もちろん授業も。たくさんの思いを胸に抱いて本日を迎えていることでしょう。昨年度は新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、修学旅行などの大切な行事が中止されるというとても残念な出来事もありましたが、リベンジの今年度、体育祭、文化祭、部活動など、様々な場面においてリーダーシップを発揮する皆さんの姿、私の目には、とても頼もしく映っていました。 

 そんな皆さんに、はなむけの言葉を送ります。それは「コミュニケーション力で将来を明るく切り拓いて欲しい」ということです。

 北京オリンピックでカーリング女子日本代表のロコ・ソラーレが、初の決勝進出を決めたのは、記憶に新しいことと思います。鍛え抜かれた技術を最大限に発揮した彼女たちの武器は「鬼コミュニケーション」でした。どんなにピンチでも、チームで意見を出し合い、納得したうえで最善策を決定し、あきらめずに挑戦を繰り返した先に、銀メダルの栄光がありました。 

 皆さんも3年前の入学以来、日々工業教育を学び続け、精進を重ね、日本の将来を担う技術者を目指して成長してきました。その集大成たる課題研究では、学んだ技術を駆使し、創意工夫、挑戦、社会貢献など、様々な思いを形にすべく製作活動に取り組みました。そこに欠かすことのできなかった大切な要素が、「仲間との協力、コミュニケーション」や「最後まであきらめない貫徹力」だったと思います。 

 時代は今、ソサエティー5.0、超スマート社会といわれています。情報社会の次に続く新しい社会のことで、AI、人工知能のような最新テクノロジーの積極的な活用によって、一人ひとりが快適に暮らせる社会を実現するというものです。皆さんはその新しい時代を生きる技術者の卵として成長しました。進路は様々ではありますが、課題研究をはじめとする本校での学びは、必ず今後の人生を力強く支えてくれることでしょう。自信をもって努力を重ね、今後出会う仲間とのコミュニケーションを大切に、あきらめない強い心をもって、それぞれの未来を切り拓いていってください。皆さんなら大丈夫です。 

 最後になりますが、御家族の皆様、ここにたくましく成長されたお子様の晴れ姿を目にされ、喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。また、三年間にわたり、本校教育の充実と発展のために温かい御支援と御協力を賜り、誠にありがとうございました。心から感謝申し上げます。 

 結びに、卒業生の皆さんの限りない発展と洋々たる前途を祝して式辞といたします。 

   令和四年三月十日

   埼玉県立三郷工業技術高等学校 校長 石塚 貴久