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夏季休業登校日朝礼 校長講話
みなさん、おはようございます。夏休みもあと一週間ほどとなりました。
17日には、日本科学未来館の「流れのふしぎ展」を見てきました。本校の3年生2名が、ウインドカーというのでしょうか、ドライヤーで風を当てると走る車の実験を、来場者に体験させるボランティアを務めていました。思いのほか、外国人の来場者が多かったので、国際交流的な体験もできたのではないかと思います。
さて、この夏は、ある大学の工学部のオープンキャンパスに行ってきましたので、そのときの話を少ししてみたいと思います。
実は以前、「工業高校は、大学の工学部の高校版だ」という話を聞いたことがありました。「工業高校は、本当に大学工学部の高校版なのか。だとすれば、本校の五つの学科に相当する学科やコースはあるのか。」こんな仮説を持って、実際に見てきました。
まず、機械科ですが、この大学では、機械知能工学科の機械システムコースが相当するようです。このコースの研究室では、「カムイロケット」というロケットを打ち上げていました。「機械科の学びはロケットまでつながっている」と思いました。
次に、電子機械科ですが、この大学では、情報エレクトロニクス学科の電気制御システムコースが相当するようです。人型ロボットやハイブリッドカーなど、電気・情報系と機械系を高度に統合するための研究・開発を行っています。電子機械科の学びは、ロボットや電気自動車、人工衛星までつながっていることがわかりました。
次に、電気科ですが、この大学では、情報エレクトロニクス学科の電気電子工学コースが相当するようです。幅広い知識と応用技術を身に付けた、エレクトロニクスの専門家を育成しています。電気科の学びは、大学では、「ナノエレクトロニクス」や「光エレクトロニクス」など、新しい課題につながっていることがわかりました。
次に、情報電子科ですが、この大学では、情報エレクトロニクス学科のメディアネットワークコースに相当するようです。音楽や画像などのメディア情報処理と、モバイル・光ネットワークの両方について学んでいます。情報電子科の学びは、コミュニケーションを支える新しいテクノロジーの創出につながっているということがわかりました。
次に、情報技術科ですが、情報エレクトロニクス学科の情報理工学コースが相当するようです。プログラミングやデータ構造、アルゴリズム理論や技術などを学んでいます。情報技術科の学びは、人を豊かにする情報システムとサービスの創出につながっているということがわかりました。
実際に訪れてみて、大学の各学科・コースと、本校の各学科には重複しているところがあり、「工業高校は、大学工学部の高校版だ」という指摘には、一理あると感じました。
最後に、この大学のパンフレットに、とてもよいフレーズがあったので、紹介しておきたいと思います。それは、「科学者はあるがままの世界を研究し、工学者は見たこともない世界を創造する」ということばです。「航空工学の父」と称されるセオドア・フォン・カルマンという人のことばだそうです。パンフレットは、「世界を知ろうとするのが科学者なら、世界を変えようとするのが工学者だ。」と続けています。
みなさんは工業高校である本校で、「工学」を勉強している工学者の卵です。どうやらみなさんは、世界を知るためでなく、世界を変えるために本校に入学してきたようです。まもなく、二学期が始まります。みんなで一緒に、世界を変えるための勉強を再開したいと思います。がんばりましょう。本日の校長講話は以上です。