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2019年3月の記事一覧

第32回卒業証書授与式 式辞

 永い冬も終わろうとしています。柔らかな春の日差しが感じられる季節となりました。この春の佳き日に、埼玉県議会議員 山下勝矢様、同じく埼玉県議会議員 美田宗亮様、三郷市教育委員会 中三川真弓様、本校PTA・後援会会長 寺﨑明子様をはじめ、多くの御来賓の皆様の御臨席を賜り、埼玉県立三郷工業技術高等学校第32回卒業証書授与式を、盛大かつ厳粛に挙行できますことは、本校にとりまして大きな喜びであります。

 ただ今、卒業証書を授与した211名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。所定の課程を修めて、本日こうして御卒業の日を迎えられたことに対して、心からお慶び申し上げます。

 みなさんは、「正確に はやく 美しく」の校訓のもと、「健康で健全な技術者を育成する」という教育目標に沿って、日々の学習や学校行事、部活動に取り組むとともに、工業高校ならではの資格取得に、かけがえのない青春時代を充実させるべく取り組んでまいりました。皆さんの努力により、今年度も埼玉県高校生専門資格等取得による県知事表彰者は133名となり、全国工業高等学校長協会からジュニアマイスターの称号を与えられた者も64名に達しました。表彰された皆さんをはじめ、3年間で多くの資格を取得された皆さんに、改めて敬意を表したいと思います。

 私は平成29年の4月に着任しましたので、卒業生の皆さんとは2年間、学校生活をともに過ごさせていただきました。沖縄の修学旅行のときから、この学年はしっかりしているという感想を持っていましたが、3年生になってからの活躍も目を見張るものがありました。全国大会で活躍した無線部、電子技術部、機械研究部、電子計算機部の皆さんをはじめ、どの部活動においても、輝かしい成果を収めてくれました。また、10月のたくみ祭では、体育館の大規模改修という「ピンチ」を、屋外ステージの設営と放送部による全館実況中継というアイデアで会場全体が盛り上がるという「チャンス」に転じてくれました。現在の落ち着いた中にも楽しさが溢れる本校の校風は、まさに卒業生の皆さんのリーダーシップによってつくっていただいたものと感謝しております。

 さて、これから皆さんは、新しい世界へと旅立っていきます。そこはすべてが順風満帆というわけではなく、幾多の試練が待ち構えていることと思います。卒業という門出にあたり、卒業生の皆さんに、本校の卒業生で、今年現役引退を発表したサッカー元日本代表の中澤佑二氏の著書『自分を動かす言葉』から、ことばを贈りたいと思います。

 少し長いのですが、引用したいと思います。

 「多くの人が、僕にも『お前には無理だよ』と言った。彼らは、君に成功してほしくないんだ。なぜなら、彼らは成功できなかったから。途中であきらめてしまったから。だから、君にもその夢をあきらめてほしいんだよ。不幸な人は不幸な人を友だちにしたいんだよ。決してあきらめては駄目だ。自分のまわりをエネルギーであふれたしっかりした考え方を持っている人で固めなさい。自分のまわりをプラス思考の人で固めなさい。」

 マジック・ジョンソンという、元NBAのバスケットボールプレイヤーのことばだということです。中澤氏は著書の中で、「このことばに自分の過去を見た」と語っています。

 皆さんもご存じのとおり、中澤氏は平成8年3月に本校を卒業後、単身ブラジルに渡り、帰国後本校のグラウンドで練習し、ヴェルディ川崎の練習生からスタートしてプロになり、日本代表としてワールドカップに出場するなど、輝かしい実績を残しています。本校在学中から、グラウンドを見つめる彼のまなざしには、ブラジルを経てプロのサッカー選手になり、ワールドカップに出場するという夢が見えていたということになります。

 さて、中澤氏にとってのブラジルは、卒業生の皆さんにとっては、それぞれの進学先や就職先ということになります。中澤氏がそうであったように、皆さんにも、その先の「夢」の形が、はっきりと見えていることと思います。

 中澤氏はこの著書の中で、自身が出会って力となった多くのことばを紹介していますが、私がこのマジック・ジョンソンのことばを選んだのは、「夢」を実現するためには、一人になること、孤独になることを恐れるな、という思いを伝えたいと思ったからです。「自分のまわりをプラス思考の人で固めなさい」というメッセージはとても重要です。皆さんはこれから、多くの人と出会うと思います。自分の「夢」を実現するという志をしっかり持って、時には孤独を受け入れたとしても、大切な人々との出会いを自分のものにしていただきたいと思います。

 次に、保護者の皆様に申し上げます。本日はお子様の晴れの卒業式、誠におめでとうございます。3年前の入学式では、中学生の面影のあったお子様は、かくも立派に成長されました。いよいよ本日をもって、お預かりした大切なお子様をお手元にお返しいたします。私たち教職員は、皆さまと手を携えて、お子様の教育に誠心誠意、全力で取り組んでまいりました。今日まで本校に賜りました保護者の皆様のご理解とご協力に対しまして、心より感謝申し上げます。

 結びに、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様に厚く御礼申し上げますとともに、本校に対し今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。